6話・最強雪像計画
大雪が降った。
夜のうちに、音もなく、たっぷりと。
朝のトレセン学園は、白かった。屋根も、グラウンドも、中庭も、植え込みも、全部が同じ白で埋まって、世界の輪郭が一段やわらかくなっていた。
授業は午前で終わった。午後の練習は、雪のため軽めのメニューに変更。つまり、午後は、ほとんど自由だった。
雪が積もった日の学園で、ウマ娘たちが何をするかは、決まっている。
中庭のあちこちで、雪合戦が始まった。雪うさぎが量産された。誰かが大きな雪玉を転がし始め、誰かがそれを手伝い、たちまち競争になった。
最強メンタル計画ちゃんと後輩ちゃんも、その中にいた。
「先輩! 雪だるま、作りましょう!」
「作る」
即答だった。
計画ではなかった。ノートも開かれなかった。申請も、相談も、なかった。
必要がなかったからだ。雪だるまに、申請はいらない。世界中の誰も、雪だるまに申請を求めない。
二人は、中庭の隅で雪玉を転がし始めた。
下の玉は、後輩ちゃんが転がした。ウマ娘の脚力で転がした雪玉は、みるみる大きくなって、途中から二人がかりになった。
上の玉は、最強メンタル計画ちゃんが作った。
「先輩、上の玉、ちょっと縦長じゃないですか?」
「……丸の、つもり」
「丸というか、おにぎりというか」
「おにぎり」
「あ、でも乗せたら分からなくなりました! 大丈夫です!」
大丈夫ではなかった。乗せた頭は明らかに縦長で、しかも少し傾いていた。
目は、拾った小石。鼻は、落ちていた小枝。口は、後輩ちゃんが指で描いた。腕の小枝は左右で長さが違った。
完成した雪だるまは——下手だった。
堂々と、下手だった。
頭は傾き、顔のパーツは寄り、全体のバランスはどこか不安で、それでいて、妙に愛嬌があった。
「できました!」
「できた」
二人は、雪だるまの前で、少し満足した。
そこへ、様子を見に来た赤ペン先生が、雪を踏みながら歩いてきた。
歩いてきて、雪だるまの前で、止まった。
じっと見た。
上から下まで、検分するように見た。旧V4の前科がある以上、この子の作る立体物は、たとえ雪でも、一度確認する。それが赤ペン先生の習慣だった。
頭、縦長。傾き、あり。目、左右非対称。腕の長さ、不揃い。総合的な造形レベル、低い。
誰にも、何にも、似ていない。
強いて言えば、おにぎりを乗せた雪の山に似ていた。
「…………うん。下手」
「下手!?」
後輩ちゃんが声を上げた。
「下手。安心した」
赤ペン先生は、心から安心した顔で言った。
「この子の立体物が下手って、本当にいいことなんだよ。技術を使ってない証拠だから。これは正真正銘、ただの雪遊びの雪だるま」
「ほめられてるんですか、これ」
「ほめてる。今年いちばんほめてる」
最強メンタル計画ちゃんは、複雑な顔をした。下手と言われて、ほめられた。どういう顔をすればいいのか、分からなかったらしい。
「……丸の、つもりだった」
「丸じゃないところがいいの。そのままでいて」
雪だるまは、中庭の隅に、そのまま残された。
他にもあちこちに雪だるまや雪像が立っていたから、誰も気に留めなかった。それらはみんな、数日かけて、ゆっくり溶けていくはずだった。
ここまで、本当に、何もなかった。
計画ゼロ。技術ゼロ。申請不要。事故要素、皆無。
ただの、冬のいい一日だった。
三日が過ぎた。
晴れの日が続いた。気温は昼に少し上がり、夜にまた冷えた。
中庭の雪は、少しずつ痩せていった。雪うさぎたちは早々に姿を消し、雪合戦の名残の雪玉は崩れ、各所の雪だるまも、頭から順に小さくなっていった。
例の雪だるまも、溶けていた。
ただし——変な溶け方をしていた。
場所が悪かった。中庭の隅、校舎の影と日なたの境目。午前は左半分に日が当たり、午後は上から日が差し、夜は全体が凍る。
溶けて、凍って、また溶けて。
縦長だった頭は、夜の冷え込みで締まりながら、日の当たる側だけ細く削れていった。傾いていた角度が、溶けるにつれて、すっと立ち上がるような線に変わった。寄っていた目鼻の小石と小枝は、とうに落ちた。のっぺりした白い面だけが残った。
左右で長さの違った腕の小枝は、片方が落ち、もう片方が、雪の痩せた肩から、すっと斜め上に伸びる形で残った。
四日目の朝。
登校時間の通学路から、中庭の隅のそれは、逆光の中にあった。
最初に通りかかった子は、急いでいた。視界の端に、白い像が入った。
すらりとした立ち姿。
小さな頭。
すっと伸びた、片腕のような線。
朝日の逆光で、細部は見えない。輪郭だけ。シルエットだけ。
その輪郭は——マイクを持って、客席に手を伸ばす、あの立ち姿に。
「…………え」
その子は、立ち止まった。
立ち止まって、見てしまった。
見てしまったら、もう、それにしか見えなかった。
雪像は何もしていない。ただの溶けかけの雪だった。でも、ウマ娘の頭の中の補完機能が、白い輪郭に、勝手に全部を描き込んだ。表情も。衣装も。あの瞬間の照明も。
「……朝から……そんな……」
その子は、鞄を抱きしめたまま、雪の通学路に、ゆっくりと座り込んだ。幸せそうだった。
二人目は、座り込んだ一人目を介抱しようとして、「どうしたの? 何かあった——」と顔を上げ、視線の先を追ってしまい、隣に座り込んだ。
三人目は、二人が座り込んでいるのを見て、嫌な予感がして、目をつぶって通り過ぎようとした。賢明な判断だった。ただ、目をつぶって雪道を歩けるほど、世界は優しくなかった。足を滑らせ、転びかけ、反射的に目を開けた先に、逆光のシルエットがあった。
三人目も、座り込んだ。
登校時間が終わる頃、通学路の脇には、五人が点々と座り込んでいた。全員、幸せそうに、同じ方向を向いて。
まるで、客席だった。
赤ペン先生が現場に駆けつけたのは、一時間目の前だった。
報告は「中庭の隅に危険な雪像がある」だった。聞いた瞬間、嫌な予感で廊下を走った。あの子は今回、何も作っていないはずだった。雪だるまは、自分がこの目で確認した。下手だった。安心できる下手さだった。
現場に着いて、座り込む五人を確認して、それから、視線の先を見た。
逆光の中に、それは立っていた。
赤ペン先生は、とっさに目を細め、視線を地面に逃がした。横目の輪郭だけで、十分だった。
「……うそでしょ」
三日前、自分が「下手。安心した」と太鼓判を押した、あの雪だるまだった。
正確には、あの雪だるまの、なれの果てだった。
誰も手を加えていない。太陽と、夜の冷え込みと、校舎の影の角度が、三日かけて、彫刻した。
「なんで……なんで溶けたら上手くなるの……!」
声が裏返った。
理不尽だった。作った時は下手だった。下手だから安全だった。それが、誰の手も借りずに、自然現象だけで、この学園で最も危険な形に向かって溶けていった。
赤ペン先生は、座り込んでいる五人を、視線を低く保ったまま安全な場所へ移動させた。それから、たづなさんに連絡した。
文面を打つ手が、少し止まった。
なんと報告すればいいのか。
中庭の隅の雪だるまが、溶けて、あの人になっています。誰も作っていません。自然にこうなりました。
送信してから、我ながら意味の分からない文章だと思った。
返信は、すぐ来た。
確認します。あなたは直視しないでください。
たづなさんは、現場で、横目の輪郭確認だけで状況を把握した。複合ではない。視覚単体。単体なら、自分は耐えられる——が、鍋の件以来、たづなさんは自分の耐性を過信しないことに決めていた。直視はしなかった。
「経緯を整理します」
管理室に、関係者が集められた。最強メンタル計画ちゃん、後輩ちゃん、赤ペン先生。
「あの雪像の、元の制作者は」
「私と、後輩ちゃん」
最強メンタル計画ちゃんが言った。
「ただし、作ったのは雪だるまです」と赤ペン先生がすぐに補足した。「三日前に私が確認しています。完全に、ただの、下手な雪だるまでした」
「下手だったんですね」
「下手でした。頭がおにぎりでした」
「おにぎり」
たづなさんは、報告書の経緯欄に「制作時:雪だるま(造形は稚拙)」と書いた。稚拙、と書かれた本人は、少しだけ複雑な顔をしたが、何も言わなかった。事実だった。
「その後、何か手を加えましたか」
「加えてない」
「誰かが加えた可能性は」
「ないと思います」と後輩ちゃんが言った。「あの場所、毎朝通るので見てました。誰も触ってません。ただ、毎日ちょっとずつ溶けてました」
「つまり」
たづなさんは、ペンを止めた。
「溶けて、ああなった、と」
「……はい」
管理室が、静かになった。
全員が、同じ結論の前で立ち止まっていた。
誰も作っていない。誰も触っていない。意図も、技術も、計画も、悪意も、善意すらも、ない。太陽と気温と影の角度という、ただの自然現象の積み重ねが、偶然、あの形を削り出した。
「……私、作ってない」
最強メンタル計画ちゃんが、小さく言った。
「知ってる」
赤ペン先生が言った。
「本当に、作ってない」
「知ってるんだよ、今回は。本当に知ってる。私が確認したんだから」
「下手って、言われた」
「言った。下手だった。あれは事故じゃなくて……何だろう、天災?」
たづなさんは、報告書の分類欄で、長いこと、ペンを止めていた。
人為:なし。製作物:該当なし(元は雪だるま)。危険物:現存(ただし雪)。
既存のどの分類にも、入らなかった。
たづなさんは、新しい行を書いた。
新分類:自然発生型。
人為によらず、自然現象の経過により概念が成立したもの。
書きながら、たづなさんは、この一行が台帳に存在すること自体の意味を考えないようにした。考えると、管理という仕事の前提が、少し崩れる気がした。
対処は、難航した。
第一案:撤去。
職員さんがスコップを持って向かった。雪像に近づくには、視界に入れる必要がある。視界に入れた職員さんは、スコップを杖にして、その場にゆっくり座り込んだ。幸せそうだった。
交代の職員さんは、目をつぶって接近を試みた。雪面で滑った。転ばないために目を開けた。座り込んだ。
「目を開けたら負け、目をつぶったら転ぶって、どうしろと」
撤去班は、二名の犠牲(全員幸せ)を出して撤退した。
第二案:目隠しの布。
夜、後ろ向きで接近した決死隊が、長い棒を使って、雪像に大きな布をかけることに成功した。視界を遮れば、概念は遮断される。理屈は正しかった。
その夜、雪が降った。
布の上に、雪が積もった。
濡れた布は夜の冷え込みで凍り、積もった雪と一体化して、雪像の輪郭に、ぴたりと張り付いた。
翌朝、そこに立っていたのは——布のドレープを纏った、白い像だった。
のっぺりしていた表面に、布の襞という情報が加わった。風で寄った布の流れが、衣装の裾のように見えた。凍ってわずかに開いた布の裾が、動きの一瞬を切り取ったように見えた。
完成度が、上がっていた。
「なんで!?」
赤ペン先生の声が、朝の中庭に響いた。
「隠したのに! 隠す行為で完成度が上がるって何!?」
布越しのシルエットは、布なしより危険——旧V4の歴史が、また繰り返された。この学園の一般教養が、また一行増えた。
その朝の被弾者は、七人だった。布をかける前より増えた。
最終的な対処方針は、その日の昼に、たづなさんから発表された。
「溶けるのを待ちます」
関係者一同は、管理室で、その言葉を聞いた。
「撤去は、作業者が接近できないため不可能です。破壊も同様です。布などで覆う対処は、昨夜の結果により、かえって危険と判明しました」
「お湯をかけて溶かすのは」と赤ペン先生が聞いた。
「お湯を運ぶ者が接近できません。それに」
たづなさんは、少しだけ間を置いた。
「溶ける過程で、一時的に、今より危険な形を経由する可能性があります」
全員が、想像した。溶けかけの、最後の数日の、どんな形になるか分からないそれを。全員が、想像をやめた。
「よって、自然に溶けるのを待ちます。それまでの間——」
対策は、以下のとおりになった。
通学路は、当該区間を迂回ルートに変更。中庭の隅へ続く通路は、ロープと「視線注意」の札で封鎖。校舎側の該当する窓は、カーテンを閉める。天気予報で気温の推移を確認し、融解の進行を毎日記録する。記録係は、横目の輪郭確認まで。直視禁止。
台帳には、こう書かれた。
自然発生型・雪像(元雪だるま):対処不能。
自然融解を待つ。加熱・接触・被覆、いずれも禁止。
完全融解まで、推定七日から十日。
「対処不能」の四文字が台帳に書かれたのは、学園史上、初めてだった。
それから数日、学園は、雪像と共存した。
迂回ルートは定着した。「視線注意」の札は効果を発揮した。被弾者は、初日をピークに減っていき、四日目にはゼロになった。みんな、見ないことに慣れた。
理事長が一度、「現状確認は理事長の務め」と言いながら封鎖ロープに接近し、たづなさんに首根っこを掴まれて回収された。
「確認だけだッ! 横目でだッ!」
「横目でも、理事長の耐性では落ちます」
「むぅ……しかし、報告書を書くにも現物を——」
「写真もありません。誰も撮れないので」
「……誰も見たことのない危険物の報告書を書くのか、わたしは」
「はい。それが今回の特殊性です」
理事長は、その日、「見てはならぬものがそこに在る」という、いつになく文学的な報告書を書き、たづなさんに「事実だけ書いてください」と差し戻された。
雪像は、日ごとに痩せていった。
肩の線が崩れ、伸びていた腕の小枝が落ち、輪郭がゆるんでいくにつれて、「見えてしまう」率は下がっていった。最後の二日は、もう誰が見ても、ただの崩れかけの雪の柱だった。
十日目の昼、雪像は、音もなく崩れた。
残ったのは、湿った雪の小さな山と、小枝が一本。
封鎖は解除された。迂回ルートは元に戻った。台帳の「対処不能」の行に、たづなさんが「完全融解を確認。終了」と書き足した。
学園は、日常に戻った。
誰も気づかなかったことが、一つだけあった。
雪像のあった場所は、中庭の隅。地面は、花壇の方向へ、ごくゆるやかに傾いていた。
十日かけて溶けた雪像の水は、毎日少しずつ、雪の下の地面を伝って、低い方へ流れた。
低い方には、特定管理植物区画があった。
防寒カバーの中の三輪と、七つの芽は、その水を、静かに吸っていた。
たづなさんの記録の隅に、一行だけ、残った。
融雪水:花壇方向へ流出。影響:観察中。
その一行を、この時点で気に留めた者は、誰もいなかった。
夜、寮の部屋。
今回は、ノートに書くことが、ほとんどなかった。
計画ではなかったからだ。申請もしていない。作ったのは雪だるまで、雪だるまは、もうこの世にない。
それでも、最強メンタル計画ちゃんは、ノートを開いた。
何も書かないのも、違う気がした。十日間、学園を騒がせたのは事実だった。座り込んだ子が十数人いたのも、事実だった。
少し考えて、書いた。
雪だるま、作った。下手だった。
溶けたら、ああなった。
私は、作ってない。
でも、私が作った雪だるまでは、あった。
赤ペン先生は、横からそれを読んだ。
赤ペンを持った。少し考えた。
今回、この子に直すべき行動は、一つもなかった。雪遊びは正しい。雪だるまは無罪。下手だったのは、むしろ美点だった。溶け方は、太陽の仕事だった。
でも、最後の二行には、何か書いてあげたい気がした。
赤ペン先生は、書いた。
あなたは作ってない。
今回のは、冬が作った。
「冬が」
「そう。冬が勝手に作ったの。あなたの雪だるまを材料にして」
「冬は、申請しない」
「しないね。冬は申請しない」
「……ずるい」
「ずるいね」
赤ペン先生は、少し笑った。
この子が「ずるい」と言うのは珍しかった。いつも、事故の原因は自分の側にあった。相談が足りないとか、確認が足りないとか、直す場所が自分の手の中にあった。
今回は、なかった。直す場所が、世界の側にあった。
「……ねえ。一個だけ、確認していい?」
「ん」
「来年、雪が積もっても」
「ん」
「『今度はちゃんと、ああなるように作ろう』とか、思ってないよね」
最強メンタル計画ちゃんは、少しの間、黙った。
黙った時間が、少し長かった。
「……思って、ない」
「今の間は何」
「思ってない。作るなら、雪だるま。丸いの」
「丸いのね。約束ね」
「ん。……でも」
「でも?」
「丸も、溶けたら、どうなるかは、分からない」
赤ペン先生は、天井を見た。
反論できなかった。丸が溶けてどうなるかは、誰にも分からない。それを決めるのは、太陽と、気温と、影の角度——冬だった。
「……来年の冬の天気、今から心配なんだけど」
「冬は、毎年来る」
「そうなんだよね。毎年来るんだよね」
窓の外では、屋根の雪が、月明かりの下で静かに溶け続けていた。
水は、低い方へ流れる。
それだけは、どの冬も、変わらなかった。
トレセン学園スレ
【誰も】通学路に概念が自然発生【作ってない】
レス 1〜50
通学路の雪像の件、続報ある?
今朝も五人座ってた
客席が伸びてる
客席って言うな
状況を知らない子のために整理すると:三日前まではただの下手な雪だるまだった→溶けたらあの人になった→誰も作ってない
「誰も作ってない」が今回の最重要ポイント
例の子は?
作ったのは雪だるままで。しかも赤ペン先生が制作直後に確認してて「下手。安心した」って太鼓判押してた
その太鼓判が三日で覆された
覆したのは太陽
太陽と夜の冷え込みと校舎の影が、三日かけて彫刻した
自然があの子に弟子入りするな
逆だろ、あの子が自然に……いや、どっちでもないか。偶然か
偶然であの形になる?
なったんだよ。なっちゃったんだよ
もう季節が共犯
それな。冬が共犯者
撤去はどうなったの
失敗。近づくには見る必要がある。見ると座る
スコップ持ったまま座り込んだ職員さん見た。幸せそうだった
で、布をかけたんだよね
かけた。その夜に雪が降って布ごと凍って、ドレープを纏った像になった
完成度が上がった
隠す行為で完成度が上がるな
布越しのシルエットが一番危ないの、旧V4で習ったでしょ
この学園の一般教養、また実証されてしまった
最終的な対処は?
「溶けるのを待つ」
待つの!?
待つしかない。近づけない、壊せない、隠すと強くなる
台帳に「対処不能」って書かれたらしい。学園史上初
たづなさんに「対処不能」を書かせた雪だるま
新分類「自然発生型」も誕生した
ついに何も作らなくても起きるようになった
それなんだよ。今回、本当に誰も何もしてないんだよ
雪遊びしただけ
雪遊びは全人類の権利
権利なのに、あの子がやると概念が生えてくる
いや今回はあの子のせいでもないんだって。冬のせいなんだって
冬のせいにするしかない事件、初めてすぎる
理事長が横目で確認しようとしてたづなさんに回収されてた
通常運転
報告書に「見てはならぬものがそこに在る」って書いて差し戻されたらしい
文豪になるな
気持ちは分かるんだよな。誰も直視できないから写真もなくて、十日後には消える。記録に残せない危険物
雪と共に去るのか
ある意味いちばん綺麗な封印かもしれない。時間が解決する
迂回ルート、地味に遠いから早く溶けてほしい
でも溶ける途中でまた形が変わるかもって考えると
やめろ
レス 51〜100
「溶ける過程で今より危険な形を経由する可能性」ってたづなさんも言ってたらしい
本当にやめろ
毎朝、横目の輪郭確認で融解進行を記録する係がいるらしい
横目記録係、精神力いる仕事すぎる
そして来年も雪は降るという事実
言うな
雪が降るたびに学園中の雪だるまの溶け方を見守る冬が来るのか
全雪だるま、要観察
冬よ、早く終わってくれ
まだイルミネーションの催しが残ってるよ
今その話をするな
溶けるまで、見守ろう
横目でね
横目で見てる