合宿組・海の家疲労回復スペシャルメニュー
死屍累々
ラストスパート、中盤の昼。
海の家に着いた時、床の子がいた。
昨日より、多かった。
ベンチに横になっている子。テーブルに突っ伏している子。柱にもたれている子。壁に背中をつけて、膝を折りたたんでいる子。全員、目を閉じている。顔は穏やかだった。呼吸はしている。怪我ではない。ただ、動けない。
「今日は昨日より多いねー」
同室の親友が、入り口で言った。
「多い」
「一週間の積み重ねだから」
「島の疲れも残ってる」
「残ってるね」
最強メンタル計画ちゃんは、横になっている班の子を見た。
この子は昨日も走っていた。今日の午前も走っていた。それでも限界が来た。自分の限界を、ちゃんと超えて来ていた。超えた先で、ここに倒れている。
助けたい。
昨日と同じ気持ちが、今日もまた来た。昨日は、まだ「どうやって」が分からなかった。
今日は、少し分かる気がした。
「水と日陰とタオルだけじゃ、足りない」
「足りないね。今日は特に」
「食べ物で回復させたい」
「……」
同室の親友が、こちらを見た。
「どうやって?」
「厨房を借りて、作る」
「……許可を取ってから」
「取ってから」
「私に見せてから」
「見せてから」
「名前をつける前に」
「……つける前に」
返事が少し遅れた。
「今の間なに?」
「名前は、まだ考えてない」
「本当に?」
「本当に。まず作る」
同室の親友は、一度だけ深く息を吸った。
それから、一緒に歩いた。
許可を取る
海の家のスタッフに声をかけた。
「すみません。みんなが動けなくなっています。回復のために、少し厨房を使わせてもらえますか」
スタッフが少し目を丸くした。合宿中の学生が厨房の使用を申し出るのは、珍しい。
「何を作るんですか?」
「スープと、あとひとつ。回復のためのものを」
「……トレーナーさんに確認してもいいですか」
「お願いします」
担当トレーナーのところへ走った。少しして、スタッフが戻ってきた。
「どうぞ。食材は棚を見てください。使う分は記録してもらえると助かります」
「はい。ありがとうございます」
同室の親友が、こそっと言った。
「ちゃんと許可取れた」
「取れた」
「えらい」
「えらい、じゃなくて正しい」
「……まあ、それでいい」
厨房に入った。
山菜を見る
食材の棚を確認した。
市販のだし。市販の調味料。貝。海藻。米。スパイス。それから、棚の端に、地元産の山菜が束になって置いてあった。
「この山菜、使っていいですか」
スタッフに確認する。
「地元産ですよ。分かりますか?」
「食べられます。塩を吹かせると、なおいいです」
スタッフが、少しだけ目を丸くした。
「どこで覚えたんですか?」
「無人島で、確認しました」
「……そうなんですか」
「ん」
同室の親友が、小さく言った。
「賢さ施設の伏線、回収した」
「回収した、じゃなくて使った」
「……まあ、それでいい」
使う分の山菜を選んだ。少量。スープに入れる分だけ。
調理
スープから始めた。
市販のだしを鍋に入れる。貝を洗う。海藻を戻す。火を起こす。貝が口を開くのを待つ。開いたら海藻を入れる。山菜を少量、最後に加える。
湯気が立った。
磯の香り。昆布の香り。山の香りが、少しだけ混じる。
同室の親友は、棚にもたれて、それを見ていた。
今のところ、問題ない。
普通の回復食だ。疲れた体に優しいスープ。それだけだ。
市販のだし。市販の調味料。地元の海産。確認済みの山菜。全部、普通の食材だ。スピカさんの要素は、どこにもない。
同室の親友は、腕を組んだ。
問題ない。問題ないはずだ。
続いて、メインの準備に入った。
米を洗う。海産を刻む。スパイスを選ぶ。
「カレーの時と同じ条件?」
最強メンタル計画ちゃんに聞いた。
「違う」
「何が違う?」
「カレーは、おいしくしたかった。今回は、回復させたい」
「……目的が違う」
「ん。今回は、回復のために、食材を選んだ。スープで体を温めて、疲労を溶かす。メインで炭水化物とミネラルを補充する。それだけ」
「それだけ?」
「それだけ」
同室の親友は、もう一度調理中の鍋を見た。
なるほど。カレーより丁寧だ。カレーはその場の思いつきだった。今回は、理由がある。
理由がある方が、なんだか少し、怖い気もした。
でも、理由は正しかった。材料も正しかった。止める根拠が、見当たらなかった。
提供
スープが完成した。
班の子たちを起こして、テーブルに集めた。起き上がれない子には、スープを手渡した。
「食べてみて」
「……ん」
一口。
温かかった。
疲れた体の奥の方まで、じわりと温かさが届いた。磯の香り。少しだけ山の味。塩気が、体に染み込んでいく。
「……あ」
「おいしい」
「体に、届く」
「これ、疲れが取れていく気がする」
同室の親友も、スープを飲んだ。
温かかった。おいしかった。疲れた体が、ほどけていく感じがした。
これは本物だ。
カレーの時もおいしかった。でも、今回はさらに丁寧だ。回復を目的に作られたものは、回復するように体に届く。
「……本物の回復食」
思わず言った。
「ん。本物にするつもりで、作った」
最強メンタル計画ちゃんが、当然のように答えた。
メインが配られた。米と海産と山菜とスパイスが一緒になったもの。ひと口食べると、また温かさが広がった。
「これ、すごい」
「おいしい——」
「疲れてたのに、なんか元気が出てきた」
「本当に回復してる?」
「してる気がする。体が違う」
「これ食堂で出してほしい」
「食堂より、なんか、今日に合ってる感じ」
あちこちから声が上がった。全員、少しずつ顔に色が戻っていた。
ここまでは、カレーと同じだった。
普通においしかった。回復効果も本物だった。喜ばれた。
それだけで、十分なはずだった。
名前
テーブルに静かな時間が流れた。
みんなが食べ終わって、少し落ち着いた頃。
同室の親友は、空になったスープの器を見ていた。
おいしかった。本当においしかった。疲れも取れた。回復効果は本物だった。ここまでは、カレーと同じだ。カレーはすやぁにならなかった。今回も、ここまでは——
「……ところで」
口から出てしまった。
「ん?」
最強メンタル計画ちゃんが、顔を上げた。
同室の親友は、一瞬自分の声に驚いた。なぜ聞いたのか。聞くつもりはなかった。ただ、ふと。ふと、気になった。
「これ、名前はあるの?」
聞いた瞬間に、気づいた。
聞かなければよかった。
「……名前は、つけていなかった」
「そう。じゃあ、いいんだけど」
「……でも」
最強メンタル計画ちゃんが、少し間を置いた。
「説明するなら」
「……うん」
「明日の練習まで、回復できるように。明日も頑張るあなたに、という意味で、作った」
静かな声だった。
本人は説明しただけだった。
名前をつけているつもりはなかった。回復メニューの目的を、素直に言葉にしただけだった。
でも。
テーブルに、少しだけ静寂が落ちた。
「……明日も頑張るあなたに」
誰かが、ゆっくり繰り返した。
声に出してみた。
もう一度。
「明日も頑張るあなたに」
温かいスープの余韻。疲れた体がほどけていく感覚。それから、今日ちゃんと練習した記憶。ラストスパートまで来た記憶。
それらが、一つの言葉の上で重なった。
「……ぁ」
一人が、ゆっくりとテーブルに頬をつけた。
「これ、なんか、来てる」
「来てるって、何が」
「わかんないけど。来てる」
「わかんない、でも」
「——ふわってする」
「あ、それ」
「分かる」
「わかる、それ」
同室の親友は、立っていた。
なぜ聞いた。
聞かなければよかった。
材料は全部普通だった。スピカさんの要素はどこにもなかった。市販のだしで、市販の調味料で、地元の食材で。全部、普通の回復食だった。
なのに。
「明日も頑張るあなたに、か」
誰かがもう一度呟いた。
回復した体。温かいお腹。疲れた後に届いた言葉。「あなた」は自分のことだ。「明日も」は、明日のことだ。でも合宿のラストスパートに疲れ切った状態で聞くと——
「……あ。これ」
「これ、ダメなやつ」
「待って、なんで」
「なんでか分かんないけど、来てる」
「来てるね」
「来てるね」
「止まれない」
「——ごめんね」
班の子たちが、一人ずつ幸せそうな顔で、静かに沈んでいった。
テーブルに伏せる子。椅子に深く沈む子。壁にもたれたまま目を閉じる子。
怪我ではない。ただ、幸せそうだった。
同室の親友は、立っていた。
今回も、立っていた。
奥歯を噛みしめていた。
「明日も頑張るあなたに」という言葉が、脳の奥でまだ温かかった。
でも、立っていた。
立たなければならなかった。
今度は、自分が引き金を引いたのだから。
目覚め
しばらくして、班の子たちが一人ずつ目を覚ました。
不思議な顔をしていた。
「……体、軽い」
「軽いね」
「疲れ、取れてる?」
「取れてる気がする。本当に」
「なんか、すっきりした」
「さっきまでぼろぼろだったのに」
「回復した。普通に」
同室の親友は、一人ずつの顔を確認した。全員、バイタルは安定している。怪我なし。表情がさっきよりずっと明るい。
回復効果は、本物だった。
「……おいしかったです」
起き上がった班の子が、素直に言った。
「ありがとう。疲れが取れました」
「良かった」
最強メンタル計画ちゃんが、短く答えた。
それで満足だった。みんなが回復した。助けたかった。助けられた。それだけだった。
同室の親友が、近づいてきた。
「……おいしかった」
「ん」
「回復したのも本物だった」
「ん」
「名前でよしよしするな」
「……説明した、だけ」
「よしよしになった」
「なるつもり、なかった」
「なった」
「……ん」
「回復と睡眠導入と概念を、一鍋にするな」
「一鍋にしたつもり、ない」
「した」
「……ん」
「あと」
「ん?」
「名前を聞いたのは、私だった」
最強メンタル計画ちゃんが、少し首をかしげた。
「聞いた?」
「聞いた。……私が聞いた」
「うん」
「……そういう問題じゃないんだけど」
「名前は、説明した、だけ」
「それでよしよしになった」
「……ん」
二人は少しだけ沈黙した。
班の子たちは、元気を取り戻してテーブルを片付け始めていた。
「ノートに書く?」
同室の親友が聞いた。
「書く。反省を」
「何を書くの」
「名前は、説明と同じ。でも、名前として受け取られると、回復メニューとして受け取られない可能性がある」
「……それ、正しい分析だけど」
「要修正」
「……まあ、それでいい」
同室の親友は、少しだけ笑った。
最強メンタル計画ちゃんが、ノートを開いた。ペンを持つ。
回復スペシャルメニュー 反省
・回復効果:本物
・材料:市販・地元食材のみ。スピカさん要素なし
・問題:名前が説明になった
・名前が「よしよし」として機能した
・要因:疲れた体に届いた後に、「あなた」という言葉があった
・要修正:名前と説明を区別する
ペンが、そこで止まった。
「明日も頑張るあなたに」という言葉が、まだ少し、胸の中に残っていた。
「あなた」は誰かを指している。「明日も」は続きがある。
それが、どこかにいるかもしれない「声」に似ていた。声は入れていない。でも、言葉の形が。
「……」
「どうした?」
「言葉の形が、似てる」
「何に?」
「スピカさんの、声の形に」
「……」
「入れていないのに」
「入れてないけど、言葉の形として近かった」
「……うん」
同室の親友は、少し間を置いた。
「それも書いといて」
「書く」
・スピカさん要素なし。でも「あなた」「明日も」という言葉の形が近かった
・言葉が概念として機能する場合がある
・要注意
ペンが止まった。
「要注意」の下に、何かを書こうとした。
「次回は名前をつけない」と書こうとした。
「はい」
手に、何かが乗った。
マシュマロだった。
串に刺さっていた。
班の子が、どこからか持ってきたらしかった。
「CF用、余ってたから」
「……食べていい?」
「食べて」
食べた。
やわらかくて、甘かった。
「次回は名前をつけない」という考えが、口の中で静かに溶けた。
「おいしい」
「よかった」
同室の親友は、小さく息を吐いた。
マシュマロが、今日も勝った。
好奇心ッ!
班の子たちが回復して、テーブルの片付けが一段落した頃。
海の家の端の方で、小柄な影がじっと残ったスープの鍋を見ていた。
大きな帽子。扇。
理事長だった。
合宿側の代表として、この合宿にずっと同行していた。今日も、海の家で倒れていく学生たちをそっと遠くから見ていた。そして、全員が回復して笑顔を取り戻すのを見ていた。
その間ずっと、鍋の前には近づかなかった。
学生たちのためのものだ。そういうものには、口を出すべきでない。
わかっていた。
でも。
「……」
鍋からは、まだ湯気が少し上がっていた。
磯の香り。山菜の香り。温かい何か。
理事長は、今朝の朝礼から今まで、ずっと動いていた。来てから合宿業務の書類。各班のメニュー確認。施設の安全点検。昨日は坂道訓練の見回り。今日は厨房の許可確認から始まって、全員が倒れた後の安全確認まで。
疲れていた。
普通に、疲れていた。
「……好奇心ッ」
小さく、呟いた。
「私が少しだけ確認するだけだッ」
担当トレーナーが、別の班の様子を見に行っていた。
誰も見ていなかった。
理事長は、近くにあった小さな器に、スープを少しだけよそった。
一口。
「……」
温かかった。
海の疲れが、少しほどけた気がした。もう一口。磯の香りが、体の奥まで届いた。積み重なった疲れが、少しずつほぐれていく。
これは、確かに効く。
もう少し。
もう少しだけ。
「……明日も頑張るあなたに、か」
さっき誰かが言っていた言葉が、頭の中を通った。
明日も。
頑張る。
あなたに。
理事長は、学生たちを思った。毎日走って、無人島で三週間過ごして、帰ってきてもまたラストスパートで走っている学生たちを。
その言葉が、疲れた体の中で、少しだけ温かく広がった。
「……ぉ……」
扇が、床に落ちた。
理事長は、椅子の上で静かに、幸せそうに目を閉じた。
しばらくして、担当トレーナーが海の家に戻ってきた。
隅の椅子に、帽子が傾いたまま静かに座っている理事長を見た。
スープの器が、空だった。
担当トレーナーは、一度目を閉じた。
バイタルを確認した。正常だった。
表情を確認した。
幸せそうだった。
「……」
担当トレーナーは、理事長の肩に上着を一枚かけた。
それから、メモ帳を開いて、短く書いた。
*帰ったらたづなさんに報告する。*
目が覚めた時、理事長はしばらく状況が分からなかった。
体が、軽かった。
「……」
上着が肩にかかっていた。いつの間に。
「理事長、気分はいかがですか」
担当トレーナーが、隣に立っていた。
理事長は、しばらく天井を見ていた。
「……む」
上着が、肩にかかっていた。
「体が……軽い」
「回復メニューの効果です。報告書には、回復効果は本物と記録されています」
担当トレーナーが、隣に立っていた。
「……そうか」
理事長は、ゆっくり起き上がった。確かに、体が違った。溜まっていた疲れが、どこかへ行っていた。合宿管理の書類仕事、各班の見回り、施設確認——それが全部、少し遠くなっていた。
「快哉ッ……」
小さく、呟いた。
「なお」
担当トレーナーは、静かに続けた。
「帰ったら、たづなさんに報告しますね」
「沈黙ッ!」
理事長は、扇を開いた。
でも、いつもより少し遅かった。
それから、少しだけ肩を落とした。
「……反省ッ。ちょっとだけ確認のつもりだったのだが」
「はい」
「……たづなに、怒られるな」
「はい」
「……わかったッ。報告は、甘んじて受けようッ」
担当トレーナーは、静かに頷いた。
それから、少しだけ声を和らげて言った。
「体、軽くなったでしょう。合宿中、お疲れ様です」
理事長は、一瞬だけ目を丸くした。
それから、少しだけ笑った。
「……励みッ」
浜辺では、回復した学生たちが午後のメニューに向かっていた。
トレセン学園スレ
【合宿】海の家で何が起きた【また死屍累々】
レス 1〜50
海の家の報告が来てる。
また死屍累々?
また死屍累々。
ただし昨日より元気そうに起き上がった。
どういうこと?
倒れてたけど、起きたら回復してた。
??
整理する。
合宿ラストスパートで疲れ限界→昼に海の家で床にいる子が大量→例の子が立ち上がる。
立ち上がり、を止めろ。
止められなかった。
今回は何を?
厨房を借りて料理した。
料理。
カレーの時と同じ路線か?
違うらしい。
カレーは「おいしくしたかった」。今回は「回復させたい」。目的が違う。
目的が違う方が怖い。
なんで?
カレーは思いつきだった。今回は設計した。
設計された回復食。
材料は?
市販のだし。市販の調味料。海の家の海産。地元の山菜。
全部普通。
山菜、誰が確認したの。
例の子が、無人島の賢さ施設で覚えてたらしい。
あのクイズで取得した知識が今になって。
伏線回収早すぎる。
「食べられます。塩を吹かせると、なおいいです」って言ったとか。
島でちゃんと勉強してた。
合宿の成果として正しいやつじゃん。
スタッフも驚いてたらしい。
それで、食べたら?
おいしかった——。
それだけ?
疲れも取れた。回復効果、本物だった。
それだけならカレーと同じじゃん。
そこまでは同じ。
じゃあなんですやぁになったの。
名前。
名前?
名前が問題。
どんな名前。
「明日も頑張るあなたに」。
…………。
…………。
それ名前なの?
本人は「説明した、だけ」と言ってる。
名前として受け取られた。
「明日も頑張るあなたに」。
ラストスパートで限界の合宿生に届けたら。
落ちるわ。
落ちる。
スピカ要素は?
レス 51〜100
なし。食材はぜんぶ普通。
スピカ入ってないのにスピカ。
V7(概念スピカ発生装置)の食べ物版が来てしまった。
V7は「安全機能が危険機能になった」。今回は「回復メニューが概念になった」。
主作用:回復。副作用:満足。追加効果:推しに褒められた気分。
追加効果のとこ、確認してほしい。
本人は設計してない。でもなった。
「一口目で回復、二口目で満足、名前で推し」。
三段階で落とすな。
カレーとの違いは何。
カレーは「おいしいだけで終わった」。今回は「名前があった」。
名前が一押しになった。
疲れ切った状態で「あなた」「明日も」って言葉が来ると。
落ちる。
しかも名前を聞いたのは赤ペン先生らしい。
え。
え。
赤ペン先生が引き金。
引き金を引いたのは止める側。
今週一番のニュース。
赤ペン先生もその名前聞いたの?
聞いた。立ってた。
えらい。
自分が引き金引いたのに立てるの、精神力がすごい。
「私が聞いた」って本人も言ったらしい。
責任感。
目が少し震えてたって聞いた。
立ってたんだ。
立ってた。
赤ペン先生、強すぎる。
でも回復効果は本物だったんでしょ。
本物。みんな起きたら体が軽くなってたらしい。
すやぁして回復して合宿に戻れる。
善意100%の結果として正しい。
善意100%がこういう形で着地することある?ある。
例の子の反省ノートには「名前と説明を区別する」「言葉の形がスピカさんの声の形に近かった」って書いてあったらしい。
分析えらい。
分析は正しい。次回も同じことをするかもしれないけど。
それが最強メンタル計画。
赤ペン先生はノートに何か書いた?
「回復と睡眠導入と概念を一鍋にするな」。
三つ一鍋になってたんだ。
なってたんだよ。
マシュマロが最後に出てきて、例の子がメモの手を止めて食べたらしい。
マシュマロ、仕事した。
何を止めたんだ。
「次回は名前をつけない」という考えを止めた、と思う。
マシュマロが次回への伏線を回収した。
回収するな。
でも今日は回復した。みんな元気。
レス 101〜150
それが一番大事。
あと、理事長も倒れてたらしい。
え。
「好奇心ッ! ちょっとだけ確認するだけだ!」って食べてたとか。
やっぱり。
担当トレーナーが見つけて「帰ったらたづなさんに報告しますね」って言ったらしい。
「沈黙ッ!……」
「……反省ッ」ってしょんぼりしてたらしい。
大人も全員やられた回。
赤ペン先生だけ立ってた。
赤ペン先生、一人で全部守ってた。
たづなさん、学園で待ってるからな。
帰ったら報告会か。
「明日も頑張るあなたに」。
CF、数日後らしい。
マシュマロがある。
火がある。
例の子がいる。
赤ペン先生がいる。
マシュマロ、もう一回頑張ってくれ。
マシュマロに全部任せるな。
でも今日の合宿、みんな元気になった。理事長も。
それだけでいい今日。
普通に回復した。
ありがとう、例の子。
ありがとうを渡していいのか悩む。
渡していい。回復効果は本物だったから。
「明日も頑張るあなたに」。
明日も頑張ります。