合宿初日・昼の部
ブロロロロ……。
長い長いバス移動の末、チャーターバスはついに目的地へと到着した。
窓の外に広がるのは、青い海。
白い砂浜。
潮風。
遠くで横歩きするカニ。
そして、トレセン学園では絶対に見られない、夏そのものの景色だった。
「海だーーーーー!」
「砂浜だーーーーー!」
「風つよっ!」
「カニいる! カニ!」
「カニ速っ!?」
バスから降りたウマ娘たちは、移動疲れなど一瞬で吹き飛んだように大はしゃぎだった。
ここは海の家。
宿泊は別の旅館だが、日中の活動は基本的にここを拠点に行うことになっている。
荷物はまだバスの中。
大きなバッグも、練習道具も、個人の手荷物も、いったん全部置いたままだ。
つまり。
「ノートなし」
「工具なし」
「試作機材なし」
「危険物なし」
同室の親友は、ちらりと隣を見た。
そこには、海を前に目を輝かせている最強メンタル計画ちゃんがいた。
「……よし」
親友は小さく頷いた。
今日は安全。
少なくとも、今この瞬間は安全。
そう信じていた。
「皆さん、注目してください」
代表の女性トレーナーが、スピーカーを片手に声を上げた。
ざわざわしていたウマ娘たちが、ぴたりと耳を向ける。
「今日は初日です。移動で疲れていると思いますので、本格的なトレーニングは行いません。レクリエーション中心になります」
「やったーーーー!」
「レク!」
「海!」
「泳いでいいですか!?」
「後で説明します!」
トレーナーは苦笑しつつ、続けた。
「まずはお昼です。合宿初日の定番ということで、皆さんには班ごとにカレーを作ってもらいます」
歓声が上がった。
「六人一組になってください。近くの子同士で構いません。火の扱いがありますので、各班に担当トレーナーが巡回します。無茶はしないこと。勝手な改造もしないこと」
最後の一言で、何人かの視線が一斉に同じ方向へ向いた。
最強メンタル計画ちゃんは、きょとんとしていた。
「……なんでこっち見るの?」
「心当たりがない顔しないで」
同室の親友が即座に言った。
ともあれ、班分けはすぐに終わった。
最強メンタル計画ちゃんと同室の親友は、当然のように同じ班。近くにいた気のいいウマ娘たちも加わり、六人組が完成する。
「じゃあ、うちらはかまど作るね」
「薪とか石とか見てくる!」
「火起こしは任せて!」
「じゃあ、私たちはカレー本体だね」
最強メンタル計画ちゃんと親友は、食材と鍋の前に立った。
「食材ヨシ」
「水ヨシ」
「鍋ヨシ」
「ルー……」
そこで、最強メンタル計画ちゃんの声が一瞬止まった。
ほんの一瞬。本当に、ほんの一瞬だった。
だが、親友は見逃さなかった。
「何考えてた?」
「え?」
「今、ルーで止まった。何考えてた?」
「……隠し味入れたら、おいしいかなって」
すぱん。
親友の手刀が、軽く頭に落ちた。
「だめ」
「まだ何もしてないのに」
「する前に止めたの」
「隠し味だよ?」
「あなたの隠し味は隠れたままで終わらないでしょ」
「そんなことないよ。前より成長したし」
「成長方向が信用できない」
赤ペンはない。ノートもない。だが、親友の制止力は健在だった。
最強メンタル計画ちゃんは、少しだけしょんぼりした顔をしたが、すぐに気を取り直した。
「じゃあ、普通に作る」
「そう。普通に。レシピ通り」
「うん。普通に」
そう言って、調理が始まった。
にんじん。じゃがいも。たまねぎ。肉。
包丁を握った最強メンタル計画ちゃんの動きは、意外なほど手慣れていた。
いや、意外ではない。
彼女には喫茶店でのバイト経験がある。接客も、簡単な仕込みも、皿洗いも、忙しい時間帯の段取りも経験済みだ。
「え、手際よくない?」
「切るの速い」
「しかも大きさ揃ってる」
「バイトでちょっと」
「ちょっと?」
親友は黙って見守っていた。
こういう時の彼女は、本当に普通に優秀なのだ。いや、普通以上に優秀なのだ。
問題は、その優秀さがたまに明後日の方向へ全力疾走することで。
「鍋、入れるよ」
「はいはい」
野菜と肉を炒め、水を加える。火にかけ、ぐつぐつと煮込む。灰汁を取り、火加減を見て、頃合いを見計らってルーを入れる。
香りが立つ。
普通のカレーの、安心する匂いだった。
「いい感じじゃん」
「うん」
「このまま煮込めば完成かな」
親友が少しだけ安心しかけた、その時だった。
「ごめーん! こっちちょっと手伝ってー!」
かまど担当の子たちから声が上がった。見ると、別の班の作業スペースで、薪の置き場と水場の導線が少し混乱しているらしい。
「ちょっと行ってくるね」
親友が言った。
「鍋、見てて」
「うん。見てる」
「本当に見てるだけね」
「うん」
「何も足さない」
「うん」
「何も混ぜない」
「うん」
「調味料を見ない」
「……うん」
「今の間なに?」
「なんでもない」
親友は眉をひそめたが、呼ばれていたので仕方なくその場を離れた。他の班員も手伝いに向かう。
鍋番ひとり、調味料セットあり
鍋の前には、最強メンタル計画ちゃんが一人残された。
ぐつぐつ。
鍋が鳴る。
彼女は前を見た。
鍋、ヨシ。
右を見た。
片付け、ヨシ。
左を見た。
調味料セット。
塩。こしょう。ソース。しょうゆ。ケチャップ。コンソメ。そして、なぜか海の家側が用意していた各種スパイス。
「…………」
彼女の耳が、ぴん、と立った。
手荷物はバスの中。ノートはない。設計図もない。機材もない。危険物はない。
だが。
調味料は、ある。
「……ちょっとだけ」
行動は速かった。あまりにも速かった。
塩、ほんの少し。こしょう、少し。ソース、少し。何かのスパイス、香りを確認して少し。さらに別のスパイスを、組み合わせを考えながら少し。
スプーンで混ぜる。香りを見る。首を傾げる。また少し足す。
本人の中では、これは実験ではなかった。あくまで調整。あくまで料理。あくまでカレーをおいしくするための、普通の隠し味。
そう。
危険なものは何もない。
たぶん。
「ただいまー」
親友たちが戻ってきた。
「おかえり」
最強メンタル計画ちゃんは、実に自然な顔で鍋を混ぜていた。
カレーの匂いがする。とてもいい匂いだった。
「……いい匂いだね」
班員の一人が言った。
「うん、めっちゃおいしそう」
「ちゃんとできてるじゃん」
「えへへ」
親友は鍋を見た。
匂いはカレー。見た目もカレー。鍋の中身は、普通においしそうなカレー。
異常なし。
……のはずだった。
やがて他の班もカレーを完成させ、配膳が始まった。紙皿に白いご飯をよそい、その上にカレーをかける。湯気がふわりと立つ。
「いただきます!」
全員で手を合わせ、実食。
そして。
「うまーーーーーーーい!」
最強メンタル計画ちゃんの班の一人が叫んだ。
「え、なにこれ、おいしい!」
「カレーだ!」
「いやカレーなんだけど! カレーなんだけどすごいおいしい!」
「なんか深い!」
「コクがある!」
「ご飯進む!」
最強メンタル計画ちゃんも一口食べた。
「……おいしい」
普通においしい。いや、普通以上においしい。辛すぎない。甘すぎない。香りがよくて、後味もいい。奇跡的なバランスだった。
親友は、隣の班の反応を横目で見ていた。
「え、そんなに?」
「うちのも普通においしいけど」
「なんかそっちだけ反応違くない?」
「メーカー同じだよね?」
「ルーどこの?」
自分の班の子たちも、口々に言う。
「これおいしいね!」
「どこのメーカーのルーだろう?」
「帰ったら買いたい」
「食堂に出してほしい」
この温度差が、少しだけ引っかかった。
ゆっくりと、最強メンタル計画ちゃんを見る。
「……何か入れた?」
スプーンを持つ手が止まった。班員たちも固まった。
海風が吹いた。遠くでカニが横切った。
最強メンタル計画ちゃんは、視線を少しだけそらした。
「……ちょっとだけ」
「何を?」
「スパイスを……ちょっとだけ……」
親友は無言になった。班員たちも無言になった。
全員が、自分の皿を見下ろす。
匂いはカレー。ヨシ。
味もおいしいカレー。ヨシ。
見た目もカレー。ヨシ。
音は、さすがにしない。ヨシ。
では、概念は?
「……カレーにしか見えない」
誰かが呟いた。
「カレーにしか見えないね」
「カレーだよね」
「カレーだと思う」
「カレー以外の何かだったら、もう私にはわからない」
親友は慎重にもう一口食べた。
おいしい。普通においしい。
意識も飛ばない。耳も尻尾も変な反応はしない。視界も揺れない。スピカさんの幻聴もしない。香りに包まれて幸せそうに沈むこともしない。
ただ、カレーがおいしい。
「……成功してる」
親友が呟いた。
「成功してるよね?」
「たぶん」
「奇跡的に」
「奇跡的ってつけないで」
最強メンタル計画ちゃんは、少しだけ頬を膨らませた。しかし、怒られると思っていたのか、どこかほっとした顔でもあった。
班員たちは顔を見合わせる。
危険物ではない。暴走もしていない。ただ、おいしい。
ならば。
「……食べよっか」
「うん」
「冷める前に」
「おかわりある?」
「あるよ」
食事は再開された。
結果として、その班のカレーは評判になった。
「一口ちょうだい」
「え、ほんとにおいしい」
「なんか屋台のやつよりおいしくない?」
「この班だけ料理ガチ勢?」
「隠し味らしいよ」
「隠し味? 誰の?」
その瞬間、何人かがそっと後ずさった。だが、食べた子たちは皆無事だった。むしろ元気だった。普通においしいカレーを食べ、普通に笑い、普通に満足していた。
合宿初日の昼。
最強メンタル計画ちゃんは、珍しく本当に成功した。
危険物ではなく。概念兵器でもなく。五感暴走装置でもなく。
ただの、ちょっとすごくおいしいカレーを作ったのだった。
食後、念のため
食後。紙皿を片付けながら、親友は言った。
「次はレシピ通り作ろうね」
「でもおいしかったよ?」
「おいしかったから言ってるの」
「成功したのに?」
「成功したから、次が怖いの」
「次も成功するかも」
「その考えが怖いの」
「むぅ」
最強メンタル計画ちゃんは納得していない顔をした。だが、親友の視線は真剣だった。
「今回はカレーだった。ちゃんとカレーだった。だからいい」
「うん」
「でも、次に『もっとおいしくしよう』って思ったら?」
「……もっとおいしくなる?」
「違う。たぶん誰かが倒れる」
「そんなことないと思うけど……」
「あなたの『そんなことない』で何回トレセンがざわついたと思ってるの」
最強メンタル計画ちゃんは、少し考えた。そして、視線をそらした。
「……何回だろう」
「数えようとしない」
親友はため息をついた。けれど、その顔は少し笑っていた。
今日のこれは、本当にただの小さな事件だった。
おいしいカレー。楽しい昼ごはん。海の風。大はしゃぎのウマ娘たち。
まだ合宿初日。まだ昼。まだ平和。
そう。まだ、平和だった。
遠くで、代表トレーナーが片付けの指示を出している。別の班では、焦げた鍋を前に反省会が始まっている。浜辺では、誰かがカニと並走している。
同室の親友は、手を洗いながらふと呟いた。
「……まあ、今回は本当においしかったけど」
「でしょ!」
最強メンタル計画ちゃんの耳が嬉しそうに動く。
親友はすぐに付け足した。
「でも、次はレシピ通り」
「はい」
「絶対」
「はい」
「調味料を勝手にブレンドしない」
「……はい」
「今の間なに?」
「なんでもないです」
記録
合宿初日、昼の部。記録。
最強メンタル計画ちゃん、ノートなし。機材なし。危険物なし。
ただし、調味料セットにより小規模な独自行動あり。
結果——普通以上においしいカレーが完成。被害なし。
ただし、周囲の警戒値は少し上昇した。
トレセン学園スレ
【合宿】初日はレクだ!お昼だ!カレーだ!【海の家】
レス 1〜50
合宿初日!
移動!
海!
砂浜!
カニ!
そして昼飯は班ごとにカレー作り!
平和だ……
やっと平和な合宿報告スレが立った
カニでテンション上がってる子多くて草
カニと並走しようとしてる子いたんだけど
勝った?
カニが横移動で逃げ切った
カニつよい
初日はレクリエーションだけらしい
移動疲れもあるし妥当
本格トレーニング前の交流イベントいいよね
六人一組でカレー作りだって
合宿って感じする
よし
平和だな
そう思っていた時期が私にもありました
おい待て
まだ早い
カレーで何が起きるんだよ
何が起きるんだろうなあ……
例の子、同室の子と同じ班らしい
あっ
でも手荷物は全部バスの中なんでしょ?
ノートないんでしょ?
工具もない
機材もない
謎の試作品もない
勝ったな
調味料がある
やめろ
言うな
調味料は普通カレー作りに必要なものだろ!
普通の子ならな
例の子、カレー本体担当だったらしい
赤ペン先生は?
もちろん一緒
同室の親友なので
よかった
監視体制あり
監視対象扱いで草
食材ヨシ
水ヨシ
鍋ヨシ
ルー……
今、間があったな
あった
絶対何か考えた
赤ペン先生が即座に「何考えてた?」って聞いたらしい
流石すぎる
長年の経験値
返答:隠し味入れたらおいしいかなって
アウト
早い
まだ料理としては普通の発想なんだけどね
普通の発想から普通じゃない着地点に行く子なんだよ
赤ペンがないので軽いチョップで止められたらしい
赤ペン先生物理もいける
赤ペンがなくても赤ペン先生
でも調理自体はめちゃくちゃ手際よかったらしい
喫茶店バイト経験者だから
そういうところ本当に優秀なんだよな
普通にやれば普通にすごい子なんだよ
レス 51〜100
普通にやれば
大事なことなので
野菜切るの速い
大きさ揃ってる
鍋の管理もうまい
灰汁取りもできる
料理スキルあるのか……
ハイスペック問題児
問題児部分さえなければ……
問題児部分が本体まである
で、カレーは普通に完成しそうだったらしい
ルー入れて煮込んで、いい匂い
勝ったな
二回目の勝ったなは危険
その時、かまど側から「ちょっとこっち手伝ってー」って声がかかった
あっ
目を離すな
赤ペン先生!?
同室の子、離れる前にちゃんと釘刺したらしい
鍋を見てて
見てるだけ
何も足さない
何も混ぜない
調味料を見ない
最後www
そこまで言う必要ある?
ある
そして一人残る例の子
鍋ヨシ
片付けヨシ
調味料セット……
ヨシじゃない
現場猫やめろ
行動は速かった
終わった
スパイスを……
ちょっとだけ……
ちょっとだけって言う子のちょっとだけを信用してはいけない
塩
こしょう
ソース
何かのスパイス
別のスパイス
さらに香りを見て微調整
料理としてはちゃんとしてそうなのが逆に困る
実験ではなく調整
本人認識では完全に料理
その認識が一番危ないんだよ
赤ペン先生たち帰還
鍋からめっちゃいい匂い
あっ
匂いが良いのはセーフ?アウト?
今までの実績を考えると判断が難しい
におい系は救出難易度高いから警戒しろ
でも今回はカレーの匂いだったらしい
カレーの匂いならヨシ!
本当にヨシか?
実食
班員「うまーーーーーーーい!」
草
え、成功?
今まで食べたことないレベルでおいしかったらしい
何それ食べたい
普通のカレー
ただしめちゃくちゃおいしい
辛すぎない
甘すぎない
コクがある
香りがいい
ご飯が進む
普通に料理上手じゃん!
普通に料理上手で済んでいいのか?
周りの班「そんなに?」
同じルー使ってるはずなのに温度差が出始める
あっ、バレる流れ
赤ペン先生「何か入れた?」
レス 101〜150
強い
一口食べただけで違和感にたどり着くの、もう相棒なんよ
例の子「ちょっとだけ……」
出た
ちょっとだけ出た
班員全員固まったらしい
おいしいのに固まるの草
そりゃ固まる
匂いはカレー
味もおいしいカレー
見た目もカレー
音はしない
概念は……
概念チェック入るのおかしいだろ
おかしくないんだよなあ
「カレーにしか見えない……」
カレーにしか見えないならカレーなんだよ!
本当に?
スピカさんの幻聴なし
幸せ気絶なし
耳尻尾暴走なし
香りによる包囲感なし
視界の演出なし
判定項目が多すぎる
普通の食レポで確認する内容じゃない
結果:普通以上においしいカレー
成功じゃん
奇跡的成功
奇跡的ってつけるなw
いや、つけるだろ
今回はマジで被害なし
みんな普通に食べ終わった
よかった……
本当に平和じゃん
なお周囲の警戒値は上がった模様
なんで成功したのに警戒値が上がるんですか?
成功体験を得たからです
あっ
それが一番まずい
赤ペン先生「今度はレシピ通り作ろうね」
正しい
例の子「でもおいしかったよ?」
そこなんだよな
成功してるから反省しづらい
赤ペン先生「おいしかったから言ってるの」
名言
成功した時こそ止める
これが赤ペン先生
例の子、普通に嬉しそうだったらしい
班のみんなが喜んでくれたから
かわいい
善意100%なんだよな
善意100%
技術力高め
成功体験獲得
合宿初日
新環境
やめろ
要素を並べるな
初日昼でこれ?
まだ昼
まだ初日
まだレク
まだノートなし
ノートなしでこれ
レス 151〜200
怖いこと言うな
でも今回のカレーは本当においしかったらしい
食べたい
レシピ残ってる?
本人の感覚配合なので再現性は不明
一番だめなやつ
企業スレがアップを始めました
やめろ
カレー業界まで巻き込むな
でも「合宿カレー監修:例の子」は普通に売れそう
買う
買うな
スピカさんが配信で「カレーおいしいですよね。合宿とかで食べると特別で」って言ったら?
レシピ研究が始まる
やめろ
カレーV1
やめろって言ってるだろ
最強メンタル&フィジカル計画
夏合宿対応型・栄養補給カレー
タイトルをつけるな
今回は本当にただのおいしいカレーだったんだ
それで終わらせてくれ
終わるかなあ
終わらせるのが赤ペン先生の仕事
赤ペン先生がんばって
合宿初日昼の結論
カレーはおいしかった
被害はなかった
でも警戒は必要
平和なのに警戒で締めるな
この子がいる合宿で完全な平和は存在しない
でも楽しそうでよかった
海!
カニ!
カレー!
警戒!
最後だけ合宿にいらないんだよなあ
なお午後のレクへ続く
続くな
続いてしまうんだよなあ
企業スレ
【食品業界】うちのカレールー、今日の売上なんかおかしい【何があった】
レス 1〜50
弊社のカレールー、今日の売上が急に跳ねてるんだけど何があった?
あ、そっちも?
うちも特定メーカーのルーだけ棚の減りが速い
補充したらまた減る
待って
特定メーカーってもしかしてうち?
たぶんうち
なんで急にカレー?
暑くなってきたからでは?
それにしては伸び方が変
あと客層が妙に偏ってる
ウマ娘関係者っぽい子たちが買っていく
まとめ買いではないけど、じわじわ減る
ウマ娘?
嫌な予感がしたので来ました
早い
最近「香り」とか「調合」とか聞くと動悸がする
わかる
いや待って
うちは普通のカレールーだぞ
安全でおいしい一般家庭向け商品だぞ
それは知ってる
普通においしいやつ
じゃあ何が起きたんだよ
合宿
合宿?
トレセン学園の夏合宿初日
昼に班ごとにカレー作り
そこで某班のカレーが「今まで食べたことないレベルでおいしい」と話題に
ありがとう
嬉しい
最後まで聞け
使われたルーが御社製品という情報が出回る
ありがとう!
嬉しい!
最後まで聞けって言ってるだろ
ただし、その班には例の子がいた
例の子
例の子
例の子
はい解散
解散するな
待って
例の子って、あの最強メンタル計画の?
その例の子
えっ
あっ
だから言った
合宿にカレールーを持ち込んだんじゃなくて、普通に用意されてたルーを使ったらしい
そこは安心した
なお、鍋の前で一人になった瞬間、調味料とスパイスを謎配合
安心できなかった
はい出た
ノートなし
機材なし
工具なし
なのに調味料だけでこれ
調味料は機材判定したほうがいいのでは?
食品業界に喧嘩売ってる?
でも例の子にとっては調味料セット=開発環境かもしれない
やめてくれ
結果だけ言うと、今回は被害なし
香りはカレー
味もカレー
見た目もカレー
概念もたぶんカレー
概念チェックやめろ
食品で概念チェックが必要な時代
レス 51〜100
味覚・嗅覚・触覚・視覚・聴覚・概念
五感を増やすな
しかも普通以上においしいカレーだったらしい
班員が叫ぶレベル
弊社ルーが……?
弊社ルー+謎配合スパイス
弊社ルーが……
受け止めろ
単体の手柄ではない
でもベースがよかった可能性はある
そうだよね!?
それはあると思う
ただ、出回っている評価は
「このルーを使った班だけ異様にうまかった」
なので、ルー名だけ先行して売れてる
ありがたい
ありがたいけど怖い
お客様から「これで例のカレー作れますか?」って聞かれた
答えたの?
「レシピは不明です」って言った
正しい
不明でよかった
明らかになったら危ない
でも一部で再現班が動いてる
なぜ動く
もうスパイス売り場も微妙に動いてる
クミン、コリアンダー、ガラムマサラあたりが少し減ってる
やめろ
いやでも食品メーカーとしては知りたい
どんな配合でそんなにおいしくなったのか知りたい
その気持ちはわかる
すごくわかる
だが相手は例の子だ
例の子の「ちょっとだけ」は信用できない
ただ料理の方向性としてはかなりまともだったらしい
辛味・甘味・香り・コクの調整が絶妙
それは本当に知りたい
技術資料として見るなら有益そうなんだよな
またそうやって近づく
過去の事例を思い出せ
化粧品
寝具
VR
園芸
音声
匂い
そして今、食品
業界横断しすぎ
とうとうカレーまで来たか……
でも今回は本当においしいだけなんだよね?
報告上はそう
気絶なし
幻聴なし
変な多幸感なし
走り出す衝動なし
スピカさん概念なし
「スピカさん概念なし」で安心するのバグってる
食品安全評価項目に入れるな
ただし「おいしすぎてテンションは上がった」らしい
それは普通の食品でもある
普通の食品で終わるならな
問題は成功体験
そう
今回成功してるから、次が怖い
次?
もっとおいしくしよう
栄養も考えよう
夏合宿対応型にしよう
汗をかくから塩分も
疲労回復も
スピカさんに褒められる味に
やめろ
今の最後が一番だめ
スピカさんが配信で「カレーいいですよね」って言った瞬間に何か始まる可能性がある
言わないで
もう一部の子が「スピカさんもカレー好きかな」って言って買ってた
遅かった
終わりの始まり
弊社、どうすればいい?
まず公式で変な便乗はしない
レス 101〜150
重要
「合宿やご家庭でおいしく安全に作れます」くらいに留める
「謎配合」には触れない
「隠し味チャレンジ!」とか絶対やるな
やりかけてた企画書を閉じました
閉じてえらい
危なかった
特に「自由にスパイスを足して自分だけの味に!」は危険
普通の販促文句なのに……
普通の人向けなら普通
例の界隈では危険
売り場POPも気をつけたほうがいい
「隠し味でさらにおいしく!」は刺激が強い
食品メーカーが隠し味を封印する時代
「レシピ通りでもおいしい!」でいこう
それだ
赤ペン先生監修POPかな?
今度はレシピ通り作ろうね
その一文だけ貼っておけ
売れるかな?
たぶん売れる
むしろ界隈の子は笑って買う
ただしスパイス売り場からは離して陳列しろ
食品売り場の導線まで変わるのか
ところで、謎配合の分析はできないの?
やめろ
現物サンプルがあれば成分分析はできるかもしれない
ただ、鍋料理なので再現性は低い
火加減、タイミング、具材の水分、混ぜ方、本人の感覚が絡む
職人じゃん
しかも本人は多分「ちょっとだけ」としか説明できない
一番再現できないタイプの天才
また本職が頭抱えるやつ
食品研究所スレ立ちそう
もう立ってる
早い
タイトルは?
【カレー】例の子、スパイス配合でもやらかす……いや成功した?【味覚は無事】
味覚は無事で草
無事確認が必要なんだよなあ
でも正直、ちょっと誇らしい
弊社ルーが選ばれて、そこからおいしいカレーができたのは嬉しい
それはそう
売れてるのも事実だしな
子ども連れのお客さんも普通に買ってる
「合宿カレー食べたい」って
嬉しい……
だからこそ変な方向に乗るな
安全に売れ
普通に売れ
レシピ通りで売れ
それが一番おいしい
いや、例の子配合のほうがもっとおいしい可能性は……
お前
今すぐ企画書を閉じろ
閉じました
えらい
社内共有案
・本日売上増はトレセン合宿の口コミ影響と推測
・公式便乗は控えめに
・安全調理、レシピ通り調理を推奨
・スパイス追加を煽らない
・「隠し味」訴求は一時停止
・赤ペン先生の精神を忘れない
最後なに
レス 151〜200
一番大事
食品業界に必要な倫理
赤ペン先生、食品安全教育に呼ばれそう
呼びたい
本人は普通の学生なんだから呼ぶな
でも「危険な成功体験をどう止めるか」の講演は聞きたい
企業人に刺さりすぎる
成功した時ほど止める
おいしかったから止める
レシピ通りに戻す
名言すぎる
食品開発部の壁に貼れ
なお、トレセン側では食後に「次はレシピ通り作ろうね」と釘を刺された模様
よかった
では弊社は明日から
「レシピ通りでも、思い出になるおいしさ」
で販促します
いいと思う
安全
売れそう
でも謎配合版も気になる
気になるで止めろ
研究者の敗北ワード
「気になる」
本日の結論
売上増は嬉しい
例の子配合は気になる
でも公式はレシピ通りを推す
隠し味煽りは禁止
スパイス売り場は警戒
合宿初日昼でこれ?
まだ昼
まだ初日
まだノートなし
ノートなしで食品業界が揺れるのやめて
午後のレク、何するんだろうね
言うな
海
砂浜
レクリエーション
新環境
成功体験
調味料なしとは限らない
やめろ
とりあえず追加出荷します
スパイスセットは付けるなよ
付けません
えらい
POPは?
「レシピ通りがおいしい!」
満点
赤ペン先生の勝利
カレー業界、今日もなんとか無事
なお明日は不明
不明で締めるな