幕間:最強メンタル計画ちゃんの資金ってどうなってるの?
――バイト代だけじゃ足りなくない?――
掲示板:【素朴な疑問】最強メンタル計画ちゃんの資金ってどうなってるの?【バイト代だけじゃ足りなくない?】
レス 1〜50
最近ふと思ったんだけどさ。
最強メンタル計画ちゃん、あの子いろいろ作ってるじゃん?
音声編集環境。
VRゴーグル。
4DXっぽい謎装置。
香料。
調理器具。
電子工作。
園芸設備。
宝石加工。
音声合成。
五感VR。
なんなら研究所が震えるレベルのものまで。
……バイト代だけで足りる???
やめろ。
そこに気づいてしまったか。
触れてはいけない真実。
いやでも普通に無理では?
バイト代でなんとかなる範囲、ハンドクリームくらいまでだと思う。
リップクリームもまあ頑張れば。
VRゴーグルは?
無理。
4DXスーパーデラックスは?
絶対無理。
五感VR装置は?
学生の財布から出ていい単語じゃない。
でもあの子、カフェでバイトしてるよね?
してる。
ちゃんと真面目に働いてる。
オーナーにも褒められてる。
接客も少しずつできるようになってる。
偉い。
そこだけ聞くと普通に良い成長物語なんだよな。
なお退勤後。
新品ノート「真・最強メンタル計画」
終わりだよ。
でもバイト代だけじゃ材料費無理だよね。
一応、企業や研究所からサンプル提供とかはあるんじゃない?
ありそう。
企業側
「試作品を使ってください」
「感想をください」
「できれば爆発させないでください」
最後。
最強メンタル計画ちゃん、無自覚に技術レビューとして価値が高すぎるからな。
何を渡しても想定外の使い方をして、なぜか性能限界を突破してくる女。
企業にとっては悪夢では?
悪夢だけど、得られるデータが金塊。
「普通のユーザーはこんな使い方しない」
「でも安全基準の上限確認にはなる」
「なんでここまでできた?」
会議室の空気が見える。
でもさ、企業提供があるにしても、最初期はどうしてたんだ?
そこなんだよ。
旧V1〜V3くらいなら、まだ個人機材とフリーソフトと学園備品でいける……か?
V1:音声編集
V2:VR
V3:画像
ここまではギリ。
V4:枕プリント
V5:匂い
V6:4DX
はい資金ショート。
おかしいなぁ。
おかしいのは今さらでは?
でも本人、お金遣い荒いタイプには見えないんだよね。
わかる。
普段は質素。
学食の小鉢で悩むタイプ。
なのに研究素材になると財布の紐が消滅する。
「これは未来への投資だから……」
やめろ、研究者の悪い言い訳だ。
赤ペン先生が家計簿も見てる説。
見てると思う。
赤ペン先生
「はい、これは今月無理」
「それは来月」
「これは学園に申請」
「これは危険だから却下」
有能。
もうマネージャーじゃん。
企業が欲しがる理由がまた増えた。
レス 51〜100
でも赤ペン先生が管理してても、真V7とか絶対お金足りないでしょ。
そこからは学園の正式予算じゃない?
メンタルケア目的として一部承認されたやつあるし。
旧V7.1とか、試験段階突破して採用へって話あったもんね。
つまり途中からは
本人のバイト代
学園の研究費
企業提供
研究所協力
サンプル品
で回ってる?
だいぶ現実的になってきた。
なお、それでも足りないものがある。
やめろ。
誰かが補填している。
やめろ。
小柄で豪快で、好奇心に弱く、よく金庫に危険物を封印している人物が。
やめろって言ってるでしょ。
理事長!?
やっぱりかぁぁぁぁぁ!
いや、まだ決まってない。
でも理事長ならやる。
やる。
絶対やる。
「支援ッ! 未来ある生徒の挑戦を支えるのも教育者の務めッ!」
言いそう。
そしてたづなさんに怒られる。
確定演出。
たづなさんの胃、また死ぬ。
待って。
ポケットマネーって、つまり私費?
理事長の私費。
学園予算じゃなくて?
たぶん怒られないように、あえて私費。
怒られます。
むしろ余計怒られます。
理事長、善意なんだよな……。
善意九割、好奇心一割。
いや好奇心三割はある。
再発防止資料として必要だったから。
その言い訳もう聞いた。
実際、理事長ってあの子のことかなり評価してそう。
危険物製造機としてではなく?
そこも含めて。
でも、根っこは本当に人を助けたい子だからね。
耳が聞こえなかった子の件とか、普通に泣いた。
両親の声を合成したやつね。
あれは本当にすごかった。
だから理事長が支援したくなる気持ちはわかる。
わかるけど。
たづなさんに言え。
それ。
なんで隠すの。
怒られるから。
怒られるようなことをするな。
正論。
理事長、普段は学園トップとして完璧寄りなのに、スピカ関連と最強メンタル計画関連になると急に小学生になる。
猫を頭に乗せた小学生理事長。
レス 101〜150
かわいい。
かわいいで済ませるな。
たづなさんが来るぞ。
来たらこのスレ消える。
ところで証拠あるの?
ある。
えっ。
購買部の人が見たらしい。
何を?
理事長が、業務用精密マイクと特殊センサー類のカタログを見ながら、ものすごく真剣な顔で個人用カードを出していたって。
あっ。
アウト。
理事長ぉぉぉぉぉ!
しかも宛先が学園研究備品じゃなくて「理事長室」。
完全に隠す気じゃん。
バレるに決まってるじゃん。
なぜ理事長室に送った。
たづなさんに見つからないと思ったんでしょ。
理事長、たづなさんの索敵能力を何だと思ってるの?
すべてを見通す緑の秘書。
かっこいい。
怖い。
そして今日の夕方、理事長室から低い声が聞こえたらしい。
誰の?
たづなさん。
終わった。
終わったな。
理事長、無事?
無事ではある。
では?
正座してた。
理事長が!?
応接テーブルの横で。
猫は?
猫も隣で座ってた。
猫は悪くないだろ。
猫も空気を読んだ。
かわいい。
かわいいで済ませるな。
たづなさん、何て怒ってたの?
聞こえた範囲だと、
「理事長」
「これは学園の正式な研究予算ではありませんよね?」
「個人で高額備品を購入して生徒に渡すのは、教育上も会計上も問題があります」
「善意なのはわかっています」
「ですが、善意ならなおさら手順を踏んでください」
だって。
正論すぎる。
たづなさん、怒りながらも優しい。
善意なのはわかってるって言ってくれるの好き。
でも逃がさない。
強い。
理事長は?
「支援……未来ある才能への投資で……」
って小声で言ってた。
言い訳が弱い。
いつもの豪快さどこいった。
レス 151〜200
たづなさんの前では消える。
たづなさん
「投資なら、なおさら正式に申請してください」
逃げ道を塞ぐな。
正しいから塞がれるんだよ。
理事長、しょんぼりしてそう。
でもたぶん反省はしている。
懲りてはいない。
重要な違い。
たづなさんが一番わかってるやつ。
それで最後どうなったの?
今後は、最強メンタル計画ちゃん関連の物品は全部、
・企画書提出
・赤ペン先生チェック
・担当トレーナー確認
・たづなさん確認
・必要なら理事長承認
・危険物判定
・予算区分明確化
を通すことになったらしい。
普通だ。
ようやく普通の管理体制になった。
赤ペン先生が正式ルートに組み込まれてるの草。
いや必須人材。
赤ペン先生いないと世界が危ない。
本人は?
最強メンタル計画ちゃん?
うん。
たづなさんに
「あなたが悪いわけではありません。ただ、お金の流れと安全確認は大切です」
って説明されて、すごく真面目に頷いてたらしい。
いい子。
本当にいい子なんだよ。
方向が終わってるだけで。
方向がね。
で、ノートに何て書いたの?
「資金管理もメンタルの一部」
「予算を守ることで計画の持続性が上がる」
「正式な申請は安全な未来への第一歩」
偉い。
成長してる。
まともだ。
その下に小さく、
「正式申請すれば大型化も可能?」
はい。
終わり。
変わってない。
成長はしてる。
ブレーキの位置が後ろにずれただけ。
後ろにずれたらダメなんだよ。
理事長もそれ見て目を輝かせてそう。
やめろ。
たづなさんにまた怒られる。
なお理事長、最後に小声で
「正式申請なら……支援できる……」
って呟いたらしい。
懲りてない。
完全に懲りてない。
たづなさん、それ聞こえてた?
聞こえてた。
終わった。
たづなさんがにっこりして、
「理事長?」
って。
怖い。
怖すぎる。
理事長、もう一回正座。
二周目。
猫も二周目。
レス 201〜250
猫は解放してあげて。
結論:
最強メンタル計画ちゃんの資金源は、本人の努力、企業提供、学園予算、研究協力、そして理事長の善意という名のポケットマネー。
最後が一番危険。
危険物を作る生徒。
危険物に出資する理事長。
危険物を止めるたづなさん。
危険物を赤ペンで止める同室の子。
トレセン学園、奇跡のバランスで成り立っている。
なお次回。
次回とか言うな。
正式予算申請編。
やめろ。
審査会が地獄になる。
最強メンタル計画ちゃん
「安全性は前回より向上しています」
赤ペン先生
「比較対象が前回なのやめようね」
たづなさん
「まず目的から説明してください」
理事長
「採択ッ!」
早い。
座っててください理事長。
正座で。
猫も。
猫は許して。